灰色区域 第1号

花代

¥2,800 (+tax)

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15年の歳月を経て2010年にドイツから帰国した花代が、帰国後に撮影した未発表写真から構成した『灰色区域』。そこには既存の写真表現を軽やかに逸脱してきた花代の新たな試みである、モノクローム写真の世界が広がっています。特徴的なぼやけたフレームワークに、モノクロームの世界が合わさり、白昼夢はより強いノスタルジーを喚起します。日常という被写体は変わらぬものの、当初の明るくポップな作風から、幻想的で叙情的な写真へと変化を続けています。

帰国後に写真を通して、再び出会った日本という場所。生まれ育った東京や、訪れた街での人との出会い。その場所に堆積する時間と、刹那的な瞬間。それらの時が手作業の銀塩プリントによって、ゆっくりと印画紙に浮かび上がってきます。同時に、もう戻れない瞬間を留めようとする、写真の本質的な衝動をも思い起こさせます。挑戦的でありながらも、プライベートに満ちた「灰色区域」の光は、花代にとっての今そのものなのです。

 


 

装丁:田中義久

デザイン:竹廣倫

仕様:257×182mm/40ページ/綴じ無し/カバーあり

エディション:100

印刷:八紘美術

出版:小熊猫出版(Baby Panda Printing)

定価:3000円+税

発売:2013年