川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり

川内倫子

¥4,200 (+tax)

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写真家・川内倫子(1972–)は、柔らかい光をはらんだ淡い色調を特徴とし、初期から一貫して人間や動物、あらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さを撮り続けています。国内では約6年ぶりとなる大規模個展となる東京オペラシティー アートギャラリーで開催される「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」では、この10年の活動に焦点を当て、未発表作品を織り交ぜながら川内の作品の本質に迫ります。

 

この展覧会カタログでは、新作〈M/E〉のほか、日本未発表の〈4%〉、新作を含む〈An interlinking〉など、展示の核となるシリーズから最新の映像作品まで、立体的な展示空間を追体験できるようなシークエンスを作家自身が構成しています。また川内が制作の上で影響を受けた佐治晴夫との対談や、篠原雅武含む3本の論考を収録し、イメージとテキストの両側から川内作品の現在地を深く探ります。シリーズごとに判型や紙を変えることで、シンプルな装丁でありながらも、展覧会の奥行きを体現する重層的な一冊となっています。

 

展覧会の中心となる〈M/E〉では、アイスランドの火山や流氷の姿や北海道の雪景色と、コロナ禍で撮影された日常の風景を織り交ぜています。一見するとかけ離れた無関係のものに思えますが、どちらもわたしたちの住む地球の上でおこっており、川内の写真はそこにある繋がりを意識させます。展覧会を通して、人間の命の営みや自然との関係についてあらためて問い直す機会となることでしょう。

 
 

目次

作家ステートメント

作品図版

 - 4%

 - One surface

 - An interlinking

 - 光と影

 - あめつち

 - M/E

 - 映像作品

 - やまなみ

対談「宇宙と照らしあうこの世界で 川内倫子×佐治晴夫」

エッセイ「生きていることの定まらなさ、あるいは、日常生活の果てにある深淵」篠原雅武(哲学者)

エッセイ「〈M/E〉:私と地球と宇宙、そして写真をめぐる距離について」瀧上 華(東京オペラシティ アートギャラリー)

エッセイ「無限の連なり—言語以前の関係性の領域について」荒井保洋(滋賀県立美術館)

シリーズ解説

略歴

文献目録

作品リスト
 
 

川内倫子個展『川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり』

2022年10月8日(土)〜12月18日(土)

東京オペラシティ アートギャラリー

*巡回:2023年1月21日(土)〜3月26日(日)滋賀県立美術館

 


 

仕様:285 x 225 mm/ソフトカバー/224P

執筆:篠原雅武、瀧上 華(東京オペラシティ アートギャラリー)、荒井保洋(滋賀県立美術館)

編集:torch press

デザイン:須山悠里

言語:日本語/英語

定価:4,200円+税

発行:朝日新聞社

発行年:2022
 
   

川内倫子(Rinko Kawauchi)

1972年、滋賀県生まれ。写真家。2002年『うたたね』『花火』(リトルモア刊) の2冊で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。著作は他に『AILA』(05年)、『the eyes, the ears,』『Cui Cui』(共に05年)、『Illuminance』(11年、改訂版21年)、『あめつち』(13年)などがある。09年にICP(International Center of Photography)主催の第25回インフィニティ賞芸術部門受賞、13年に芸術選奨文部科学大臣新人賞(2012年度)を受賞。主な国内での個展は、「Cui Cui」(08年・ヴァンジ彫刻庭園美術館)、「照度 あめつち 影を見る」(12年・東京都写真美術館)、「川が私を受け入れてくれた」(16年・熊本市現代美術館)ほか多数。近刊に写真集『Des oiseaux』『Illuminance: The Tenth Anniversary Edition』『やまなみ』『橙が実るまで』(田尻久子との共著)がある。