『BLACK GRASS / LOVE LETTERS』
フルア・ファン・ドーデワード
¥4,000 (+tax)
9月中旬刊行予定 予約受付中
オランダのコンセプチュアルアーティスト、フルア・ファン・ドーデワード(Fleur van Dodewaard)のドローイングをまとめたアートブック『BLACK GRASS / LOVE LETTERS』を刊行します。
ファン・ドーデワードはこれまでに、ドローイング、彫刻、写真、陶芸、絵画など、多様なメディアを横断しながら制作を行ってきました。《BLACK GRASS / LOVE LETTERS》は、ファン・ドーデワードがVAGUE ARLESでのレジデンス中に取り組みはじめた最新作。彼女は1年間毎日、鉛筆とインクによるシンプルで意図的な線を描き続けました。レジデンスでは南仏・プロヴァンスの風景とフィンセント・ファン・ゴッホ(1853–1890)の残像を感じながら、ゴッホが弟のテオに書いた手紙や、1888–1889年にアルルで描かれた風景画、ドローイングを丁寧にリサーチしました。そこに繰り返し現れる線やリズムは、ファン・ドーデワード自身の制作とも響き合い、また日本の芸術、とりわけ篠田桃紅(1913–2021)による抽象的な墨の表現との継続的な対話も、彼女の独自の造形言語をかたちづくっています。瞑想的かつ実験的なプロセスを経て、紙の上に描かれたドローイングの数々は、結果的に言語を超えたいくつもの「ラブレター」となりました。
付録される中綴じの冊子には、作家自身によって綴られたテキストと、クレラー・ミュラー美術館ベノ・テンペルによる論考、そしてVAGUE KOBEの展示風景も収録。オランダ在住のデザイナー、若林亜希子の手により優雅なデザインで纏めあげられた一冊です。
私は紙とペンを用意して、一本の線でシンプルな形を描く。これが私を表現する場。それは世界で、私自身で、そして作品でもある。触れることができると同時にメタフィジカルな、目がくらむような可能性に満ちた空間。私はその中心に立っている。ここが私の居場所。
ゼロを起点とする。可能性を秘めた、空っぽのゼロ。いつも同じで、いつも新しいゼロ。宇宙の中で地球が少し回転し、朝が来て私たちは目を覚ます。それからどうする? 両足を地面につけて立ち、息を吸う。吸って、吐いて。吸って、吐いて。私たちの周りではすべての物事が目まぐるしく動いている——まさにその嵐の目の中で、それは起こる。
フルア・ファン・ドーデワード(本文より)
関連展覧会
2025年9月5日(金)〜10月20日(月)
VAGUE KOBE
ブックローンチ
2025年9月9日(火)17:00-19:00
POST
仕様:B5版変型(165 x 235 mm)/ソフトカバー(中綴じ冊子付き)/80P+中綴じ16P
執筆:フルア・ファン・ドーデワード、ベノ・テンペル
デザイン:若林亜希子
言語:日本語
定価:4,000円+税
発行:torch press
ISBN:978-4-907562-56-4 C0071
発行年:2025
フルア・ファン・ドーデワード(Fleur van Dodewaard)
1983年生まれ。オランダのリートフェルト・アカデミーを卒業後、ローマのMuseo d’ArteContemporanea、ロンドンのFlowers Gallery、オランダのCobra Museumなどで展覧会を開催。Foam Magazine の Talent Issue #28 でも選出され、作品はFoam のパーマネントコレクションとして所蔵されている。これまでの作品にコンセプチュアルアート作家、ソル・ルウィットによるアーティストブック『Variations of Incomplete Open Cubes』を立体で再構築し、それを撮影した「131VARIATIONS」がある。2021年、『left hand right hand』(torch press)を刊行。http://www.fleurvandodewaard.com/