らせんの練習

久門剛史

¥3,200 (+tax)

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新進の現代美術家、久門剛史による国内初の大規模な個展が豊田市美術館で開催されます。「日産アートアワード2015」や「あいちトリエンナーレ2016」で注目を集め、アピチャッポン・ウィーラセタクンとの共作を「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」 (2019年)で発表するなど、その評価を高めています。また近年ではチェルフィッチュによる『部屋に流れる時間の旅』の舞台美術と音を手がけるほか、昨年の「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2019」では自身初となる大型劇場作品を発表し、その活動の領域を広げています。

 

久門は、身の回りの現象や特定の場所がもつ記憶、歴史的事象を採取し、それらを音や光、立体などの断片を用いて観る者の身体感覚を静かに、強く揺さぶる空間を創り出します。私たちの知覚を研ぎ澄ますように促し、モノに潜在する「永遠性」と「唯一性」についてメタフォリカルに問いかける作品は、国内外で高く評価されています。本展で久門は、豊田市美術館の4つの展示室からなる延べ約1,000㎡の個性的な空間を使い、それぞれの場に呼応する新作インスタレーションを展開しています。

 

初の作品集となるこの展覧会図録では、来田猛がインスタレーションを撮り下ろした写真によって全編構成。いわゆる展覧会の記録写真とは一線を画し、各部屋の雰囲気や気配までもが丁寧にとらえられています。本書では、展示室の部屋ごとに扉で区切り、そこでは使う紙や印刷までも、作品テーマや空間に呼応させています。「できるだけ作品を見る人々に空白を渡したい」と久門が記すように、シンプルな構成ながらも、マテリアルによる質感の変化や、ページをめくる動きまで、細かな造作にもこだわったビジュアルブックとして、尾中俊介(Calamari Inc.)がまとめ上げました。社会が混沌としている状況の中でも、物事を美しいと思える態度を揺るぎなく示し続けてきた久門剛史の芸術世界をぜひ体験してみてください。

 

関連展示

「久門 剛史  らせんの練習」

豊田市美術館 〜6月21日
*展覧会場では、部数限定・先着で特別定価にて予約販売しております。
 


 
執筆:福島真人(東京大学教授、文化人類学/科学社会学)

          ワン・ウェイウェイ(Centre for Heritage, Arts & Textile, Hong Kong学芸員)

   都筑正敏(豊田市美術館学芸員)

デザイン:尾中俊介(Calamari Inc.)
撮影:来田猛

言語:日本語・英語

定価:3200+税

仕様:A4変型/ソフトカバー/168ページ/カラー

発売元:torch press

ISBN978-4-907562-21-2 C0071

 

 

久門 剛史 (Tsuyoshi Hisakado)

1981年京都府生まれ。2007年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。近年の主な展覧会に「あいちトリエンナーレ2016」(豊橋会場、愛知、2016年)、「東アジア文化都市2017京都 アジア回廊 現代美術展」(元離宮二条城会場、京都、2017年)があるほか、「MAMプロジェクト025」(森美術館、東京、2018年)と「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 May You Live in Interesting Times」(2019年)ではアピチャッポン・ウィーラセタクンとの共作を展示した。2016年には、世界各国で上演されたチェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』の舞台美術と音を担当。「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2019」(ロームシアター京都、2019年)にて初の劇場作品を発表。主な受賞に「日産アートアワード2015」オーディエンス賞、「平成27年度京都市芸術文化特別奨励者」、「VOCA展2016」VOCA賞、「平成28年度京都市芸術新人賞」、「平成29年度 京都府文化賞奨励賞」、「メルセデス・ベンツ アート・スコープ2018-2020」。

http://tsuyoshihisakado.com